「ヴィラ版のエデルソン」…足元と長短のパスで組み立てが変わった

同紙は、鈴木を「エメリ監督が刷新したチームの活力を体現する新しい正守護神」であり、「現代サッカーに完璧に合ったGK」だと書いた(原文は英語、日本語訳は編集部。以下同じ)。そのうえで、ペナルティーエリア内からの幅広いパスでイングランドのサッカーを変えたマンチェスター・シティの元GKエデルソンになぞらえ、鈴木を「ヴィラ版のエデルソン」と表現している。

鈴木は長いパスも短いパスも使い分けられるため、ヴィラは後方からの組み立てに作り替えられ、相手に読まれにくくなったという。守備面では、同紙はプレミアリーグ7試合で25セーブ、うちヴィラが2-1で勝った24日のシティ戦だけで6セーブと記している。

PSGが飛行機を送っても…望んだのはヴィラだけ

記事によると、今夏の鈴木の獲得には欧州王者のパリ・サンジェルマン(PSG)も動いていた。同紙は、PSGがイタリア北部のエミリア=ロマーニャ州にパリへ運ぶための航空機を送ったが、鈴木が望んだのはヴィラだけで、PSGは不満を残したと伝えている。さらに、マルティネスの去就がはっきりしない中でも、鈴木には何が起きても正GKの座が約束されていたという。

パルマの強化責任者アレッサンドロ・ペッティーナ氏は同紙に「ヴィラとは昨季の終わりごろ、ワールドカップの前から話をしていた。6つのクラブからオファーがあった。ジオン(鈴木)が自分で決断し、私たちはそれを尊重した」と語った。

骨折した手でモドリッチのシュートを止めた

同氏は、鈴木の覚悟を示す場面として、昨年11月のミラン戦を挙げた。パルマが2点差を追いついた試合で、鈴木はウインガーのサエレマーケルスと接触して左手の指の複合骨折と手首の舟状骨の骨折を負い、3月中旬まで離脱することになった。それでも残り約10分もプレーを続け、ルカ・モドリッチのシュートを止めたという。

ペッティーナ氏によると、試合後に手袋を外した選手の手を見て、周囲は信じられなかった。鈴木は「自分はチームを絶対に裏切らない」と話したといい、同氏は「その瞬間、彼という人間とその献身がよく分かった」と振り返っている。

パルマ時代のコーチ、ニコラ・パヴァリーニ氏も同紙に「世界最高のGKの一人になれる。そこに疑いはない」と話した。シティ戦のあとには祝福のメッセージを送ったという。

次はカンプ・ノウでバルセロナ戦

同紙は、鈴木が3日(現地火曜日)にCLでバルセロナのホーム(カンプ・ノウ)に乗り込むことを「おそらくここまでで最も難しい試験」と位置づけたうえで、「誰も彼が屈するとは思っていない」と結んだ。9月にはクラブ・ブルッヘ戦で日本人GKとして初めてCLに出場している。

テレグラフは、来年1月のアジアカップに鈴木が出ればヴィラの7試合を欠く可能性があると指摘している。アジアカップは1月7日にサウジアラビアで開幕する予定で、開催の可否は11月中旬のAFC理事会で決まる見通しだ。同紙は「それが問題になること自体が、彼の素晴らしさを物語っている」と書いた。