発端は「自分の顔を中国の独裁者に使ったもの」

フランスの番組『The Bridge』の出演前に撮られた映像で、好きなミームを問われたエンバペが「一番笑ったのは、自分の顔を中国の独裁者に使ったもの」と答えたと、フットボールチャンネルが伝えている。AFP通信によれば、英語では「中国の独裁者だったと思う」と述べている。

映像は4月に撮影されたもので、アルジャジーラが検証した。エンバペは毛沢東の名前を挙げていないが、問題のミームは毛沢東の肖像にエンバペの顔を合成したものとされる。

3社が契約解除、エンバペは27日に謝罪

27日、飲料の東鵬飲料と乳業の蒙牛乳業が、エンバペとの提携終了を発表した。東鵬飲料は「国民感情を害するいかなる行為にも断固反対し、一切容認しない」との立場を示し、即時の終了を明らかにした(AFP、CBS Sports)。AFPはチーズ大手のミルクグラウンドも契約を終えたと伝えており、報道では3社となる。

エンバペはフランス語、中国語、英語の声明を出し、「私のコメントは不適切で、中国の多くの人々や世界中の中国人コミュニティを傷つけたと今は理解している」と述べた。「私の言葉で不快な思いをさせたすべての人に謝罪する。そんな意図は全くなかった」とも続けた(GOAL英語版、編集部訳)。

テバス会長「個人の行為で、この関係を傷つけさせない」

テバス会長はXで、「ラ・リーガを代表して、中国の人々に心からおわびしたい」と投稿した(GOAL英語版、編集部訳。X原文は確認できていない)。続けて「個人の行為がこの関係を傷つけたり、リーグに参加する20以上のクラブと何百万人もの中国のファンに害を与えたりすることは許されない」と述べた(GOAL英語版、編集部訳)。CBS Sportsによれば、テバス会長はラ・リーガとして中国のパートナーと直接協力し、事態の解決に取り組んでいるとも述べた。

ラ・リーガは別に声明を出し、エンバペの発言は「個人の立場でのもの」で、ラ・リーガを代表するものではないとした。そのうえで、リーグと全クラブを代表して謝罪し、クラブや選手と協力して異文化への敬意を促す啓発・コミュニケーションの手順を設けるという(CBS Sports)。CBSはテバス会長が最近レアルと公の場で何度か対立していたことにも触れている。

中国側は「行動を見る」姿勢

中国メディアグループ(CMG)は26日、ラ・リーガの中継、エンバペが出る試合、エンバペの広告の停止を指示したと、環球時報が伝えた。CMGの代表はテバス会長宛ての書簡でレアルとエンバペに公の謝罪を求め、謝罪がなければ協議はできないとした(環球時報の要約。書簡の全文は確認できていない)。中国のスポーツ媒体『懂球帝』が載せたCMGの見解は「彼の言葉は聞くが、行動をさらに見る」とされる(Fanzword経由)。

環球時報は、中国サッカー協会もレアルに申し入れを行ったと報じている(記事の見出しのみ確認。内容は未確認)。レアルの対応について、GOAL.comは公式に中国へ謝罪したと伝えているが、クラブの声明本文は今回確認できていない。放送が再開されたかどうかも、28日朝の時点で確認できていない。